水域環境の調査
近年の環境に対する関心の高まりに応じ、各種事業実施に伴う影響を調査、予測・評価し、環境影響を低減するための措置を検討する「環境アセスメント」、主に水域や水辺における「水域調査」、生物の保全や生息環境の再生・創造を提案する「環境コンサルタント」、環境の動態や多面的な環境の解析を行う「環境システム解析」について業務を行っています。
水域調査
これまでに培った豊富なノウハウを生かし、各種の環境測定機器を用いた水域調査、データ整理、解析を行っています。
潮流、潮汐、波浪、漂砂、濁度 等
- 自記式流向・流速計の設置(COMPACT EM)
- 潮流計設置
魚礁、海底構造物(魚類蝟集状況、水中写真・ビデオ撮影 等)
- 波高計設置状況(DL-2型)
- 波高周期時系列グラフ
河川物理環境 (水位、流量、河床材料 等)
- 自記濁度計(COMPACT CLW)
- 水質自動連続観測
環境アセスメント
平成9年6月に日本でも環境影響評価法が成立し、大規模な建設事業実施に際し環境影響評価(環境アセスメント)を実施することが法制化されました。当社においてもこれまでに蓄積してきた調査のノウハウを生かし、環境調査から環境影響の予測・評価、保全対策の検討、事後調査に至る一連の調査・検討を実施しています。
水環境 (水質、底質)
水質については、内海域や各河川で深刻な水質汚染が発生していましたが、近年、水質規制や下水道の完備等により各河川で改善傾向が見られます。
- 採水器
- 採泥器
- 船上でのDO固定
大気環境 (大気質・気象、騒音、振動)
大気環境は人間の生活に関わり合いが深く、大気質の中でも二酸化窒素(NO2)や二酸化硫黄(SO2)、騒音、振動等は公害を引き起こすことでも問題となってきました。
- 風向・風速の連続測定
- 風速の時系列グラフ
動植物生態系
水生生物(動植物プランクトン、ベントス、付着生物、魚類、藻場など)
陸生生物(植物、ほ乳類、鳥類、両生・は虫類、昆虫類など)
かつて身近に生息していた生物(メダカやドジョウ等)についても絶滅のおそれがあるといわれており、動植物やその生息基盤となる生態系についても注目を集めています。
- 構造物の付着生物調査
- 投網による魚類の採集
- 刺網による魚類の採集
- 動物プランクトンの採集
- 底生生物採集
- 生物の分析
環境コンサルタント
平成14年には国により「新・生物多様性国家戦略」が決定され、生物の保全の強化、自然再生、持続可能な利用の3つの方向性が示されました。当社でも自然環境の保全や再生、希少動植物の保全や増殖の計画検討、保全策の実行、モニタリング実施といった業務に取り組んでいます。
海域、河川、湖沼の環境保全、再生、創造
近年、河川改修においても多自然型が基本とされ、積極的に水辺を再生する計画も各地で行われています。このような状況下において、水辺の保全や再生を図るための調査検討を行う際には、物理的な環境(気候、地形、水象・水質、地形・地質等)と生物の生息状況を詳細に調査し、それらの関連性を的確に把握したうえで、保全や再生の計画を立てていく必要があります。
当社では、これまでに培った測量や水域の物理環境調査のノウハウを生かし、水辺の環境調査および生物保全・再生策の検討を行っています。
- エコトーンの調査
- 水辺の地形測量
- 浅場の調査
ビオトープの保全、再生、創造、ネットワーク化
ビオトープという言葉は、近年「学校ビオトープ」や「屋上ビオトープ」といった言葉で示されるように、人工的に整備された生物のための小空間といった用い方をされることが多いが、本来は生物群集の生息空間を示す言葉です。
本来のビオトープの意味からすると、各生物の特性によりその空間スケールは異なり、カエルなどのように小水域とその周りの草地や森林といったスケールのものから、渡り鳥のように複数の大陸を含むものまでさまざまです。
ビオトープの保全や再生を考えるにあたっては、どのような生物群にとってのビオトープを創出するかといった問題について十分論議しておく必要があります。
藻場の保護、復元、創造
近年特に内湾域において、埋立等による浅場の減少が進み砂浜に生育するアマモやコアマモなどの藻場の減少が進んでいます。このような藻場は、各種魚類やイカ類等の産卵場や仔稚魚の育成場として機能しており、各地で藻場再生のための取り組みがなされています。
当社においても、GPSを用いた正確な藻場分布の把握から始まり、藻場の成立要因の把握、保全対策の立案、実施、モニタリングといった一連の業務を行っています。
- 藻場
- GPSを用いた藻場の測量
- 水質自動計測
環境システム解析
調査結果を解析し環境に対する影響(インパクト)と影響を受けた環境の応答(レスポンス)の関係を数理的に解析する各種のシミュレーションをはじめ、GISを用いて多くの環境情報の重ね合わせ、環境要素間の関連性を検討することにより、環境評価や適正立地の検討等を行っています。
- 潮流・大気などのシミュレーション
- 地形変化シミュレーション
- 地理情報システム(GIS)を用いた情報処理、解析